攻勢作戦に対する砲兵支援

 攻勢において、北朝鮮地上軍砲兵の任務は、北朝鮮地上軍の歩兵及び戦車部隊に対する脅威を有するCFCの兵員及び装備を制圧又は撃破することにある。北朝鮮地上軍は、高い破壊力を有する比較的長射程に渡り、固定陣地から大量又は散発的な火力を投射できる。北朝鮮地上軍は、制限された視界、天候、及び地形条件下において機動及び正確に射撃する砲兵の能力を最重要視している。

 北朝鮮地上軍砲兵の戦術使用は、組織の柔軟性、射撃計画の統合、中央統制、火力の集中、及び機動に基づく。
 
bullet組織の柔軟性は、全梯隊において臨時任務を指向した砲兵群を編成することにより、主攻撃軸に火力を集中するために使用される。
bullet射撃計画の統合は、歩兵中隊の機関銃射撃と各種口径の野戦砲射撃の単一射撃計画への統合のために使用される。
bullet中央統制は、北朝鮮地上軍がその砲兵に戦術任務を付与しないとき、砲兵部隊に対する各梯隊の統制を機動部隊指揮官に与える。攻撃部隊の前進に応じて、砲兵の統制は、最下級梯隊に分与され始める。機動指揮官は、必要により、砲兵の統制を再度中央化する。
bullet火力の集中は、可能な限り最大限集中された射撃における全口径の火砲の使用を通して達成される。
bullet機動は、機動部隊の支援において、砲兵の迅速な分散又は集中のために使用される。

 北朝鮮地上軍の諸兵科連合理論は、連隊及び師団のために要求される砲兵火力支援が連隊及び師団固有の火力支援能力を超えることにおいて、旧ソ連軍のものと類似している。それ故、北朝鮮地上軍は、固有の戦闘任務を支援するために、全梯隊において複数の大隊による砲兵群を編成する。群は、軍、軍団、師団、旅団、及び連隊級において編成され、これらの梯隊固有の砲兵に加え、配属砲兵を含む。少なくとも、1個軍団砲兵群(CAG)は、通常、軍団に対する全般支援、主攻撃を実施する師団の支援、対砲兵射撃、及びCFCの後方地域に対する縦深射撃の任務を有する2から3個の長射程砲兵大隊から成る。師団砲兵群(DAG)は、通常、野砲、榴弾砲、迫撃砲、及び多連装ロケット発射機(MRL)を装備する少なくとも2又は3個大隊から成る。連隊砲兵群(RAG)は、通常、師団又は軍団により提供された2から4個大隊からなり、前方機動部隊を支援する。この砲兵群の組織は、主攻撃を支援するための火力の集中、不測の要求、又は上級梯隊の要求を支援する能力を可能にする。

 攻撃間、北朝鮮地上軍砲兵陣地は、実際の位置の偵察を通して選定される。事後の射撃陣地は、図上における概ねの地域の選択及びその地域への移動により、視認偵察(監視)を通して選定される。準備射撃間の事前計画目標の撃破後、火砲は、陣地を変換する。通常、砲兵部隊は、CFC部隊との接触線からその最大射程の3分の1の距離に位置する。必要時、射撃陣地は、砲兵が直接射撃を実施できる地域に設定される。

 砲兵部隊の連続的かつ効果的な指揮及び射撃命令を保障するために、北朝鮮地上軍は、各梯隊に観測所(OP)設置及び使用する。その地形及びCFCの活動の観測に基づき、OPは、砲兵火力を観測及び修正し、指揮及び射撃命令を提供する。

 北朝鮮地上軍の攻勢における砲兵射撃の実施は、準備射撃、攻撃射撃支援、及び攻撃間の縦深射撃支援の3種類の射撃に分かれる。

 攻勢において、準備射撃は、CFCのCP及び観測施設を破壊し、防御組織の崩壊を引き起こし、歩兵、戦車、砲兵、及び工兵のための障害物通過口を開設するために実施される。射撃は、迅速な攻撃のために10から20分間、又は計画攻撃のために30から40分間継続する。準備射撃は、通常、4段階に分けられる。
 
bullet第1段階:CFC前線小隊地域(制圧射撃)
bullet第2段階:CFC中隊予備地域
bullet第3段階:CFC大隊予備地域
bullet第4段階:CFC前線小隊地域(殲滅射撃)

 準備射撃は、恐らく、視界不良時若しくは射撃観測が不可能なとき、又はCFCが応急防御に移り、その 防御陣地が未完成のとき、数段階に分けられない。

 北朝鮮地上軍の攻撃射撃支援は、事前に計画された間隔(通常、2から3分間)で防御縦深に延伸することにより、機動部隊の前進を援助するために実施される。この目的のために、いくつかの基本射撃段階線が、攻勢開始線からCFCの防御縦深2,500 mまで200から400 mの間隔で設定される。
 
bullet第1段階:CFC障害地域
bullet第2段階:CFC防御前線
bullet第3段階:CFC予備

 支援砲兵部隊又は砲兵群は、移動する弾幕又は連続的な火力集中を提供することにより、機動部隊に全般支援を提供する。長射程砲と軍団砲兵群は、対砲兵射撃及び指揮・統制施設に対する射撃を実施する。機動部隊がその火力でCFCの抵抗を制圧できないとき、支援砲兵部隊のいくつかが、攻撃部隊に直接支援を提供するために配属される。

 攻撃間における縦深射撃支援は、CFC防御縦深へ突破する戦果拡張部隊のための射撃を行う。突破部隊の直接支援に任ずる砲兵は、CFCの抵抗の制圧及び逆襲又は退却の阻止を継続する任務を有する。随伴砲兵は、個々の敵兵器陣地の破壊及び制圧射撃の実施を優先する。長射程砲兵の任務は、対砲兵射撃を実施し、防御地域縦深内の拠点を制圧及び破壊し、敵予備の機動を妨害し、指揮・統制結節を混乱させることにある。

砲兵群 − 攻勢
 

砲兵群 − 攻勢

 北朝鮮地上軍砲兵のもう1つの任務は、対戦車任務である。北朝鮮地上軍は、直接射撃(砲口照準)による対戦車砲として砲兵を使用する。ロシアの戦術に従い、北朝鮮地上軍は、我の部隊の前方線(FLOT)の2,000 m以内に中口径砲を前方配置する。

攻撃間の射撃支援
 

攻撃間の射撃支援

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最終更新日:2003/05/21

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